Monthly Archives: 9月 2017

#メイドプログラミング スクールこと「Made in Maid Family」参加レポート

2017年9月16日 渋谷にメイドプログラミングスクール開校

「世界初! メイドさんと一緒に成長できるVR開発の為のプログラミングスクール」Maid in Maid Family が9月16日開校しました。

メイドさん x ITを絡めた勉強会としては、Androidの会秋葉原支部・橙幻郷のコラボレーションに続くもので、定期開設の教室としては「世界初」でしょう。開校以前からメディアへの露出も多く会ったため、海外からの反応もあるようです。ムーブメントですね。

日頃メイドカフェでノマドワークをしている自分の元にも情報が入っていたので、開校当日、参加してきました。

ビル休日用通用口から601を呼び出して入る

  

JR渋谷駅新南口近く。サイトに記された会場に行くと、ビル(一階は郵便局)の入口が閉ざされていました。休日は裏の通用口から入るそうです。このように案内は立てられていましたが、ドアは開いていません。「601」で呼び出しをして開けて貰う必要があります。エレベーターで6階に上がって左側に教室の入り口があります。

「おかえりなさいませ先輩」

メイドさんは「一緒に勉強をする同級生」という設定なので、「おかえりなさいませ先輩」ということになるそうです。受付をして、名札を書いてむねに付けます。取材も入っている関係で「写真に写ってもいいよ」という人は名札に印の花を付けます。

教室はお座敷タイプで靴を脱いで上がります。「メイドさんが畳に座っている」という、メイドカフェファンとしては落ち着かない光景です。(飲食店であるメイドカフェでは、風営法の関係でメイドさんは決し座ることはない)

  

コワーキングスペース利用者はお座敷で、スクール生徒は周囲の机席に座ります。椅子にはメイドさん用の印がありそれ以外の席に座ります。

メイドさんとVR体験

VRをスクールのテーマとしていて、ヘッドセットを装着してVR体験をすることができます。メイドさんが「2次元」ではなく、異次元世界に行ってしまっていました\(^o^)/

 

初回はプログラミングせず、STYLY というWebサービスを利用してVR空間を自作することを学びます。

 

いしがみ作「VRでノマド会」

STYLYの操作は簡単ですが、上下左右、前後、拡大縮小、回転、複雑な物体の操作をしなければならないため、結構複雑です。

「これはどうするのかな?」「ああ、こうすのか?」

と自分で見つけたり、周囲の「先輩」に教えてもらったりしてなんとか独自の空間を作ってみます。

そうこうしていると、隣のメイドさんが「これどうするの?」と聞いてきます。さっき自分が苦戦したばかりのところなので、「こうやるんだよ」と教えてあげたり一緒に考えたりすることができます。

  

ちゃんと勉強できましたよ!

「メイドさんのいる場所」には素晴らしい人が集まる法則

コワーキングエリアで何やら盛り上がっています。この日は未来研究をしている先生や、ビットコインの技術者など、個性的な方が集まっていました。メイドさんの周りで、週末に技術的な談笑をする。ときにはメイドさんそっちのけで話に夢中になってしまいました。

 

これは私達「メイドカフェでノマド会」にもある特徴ですが、なぜだか「メイドさんがいる場所に集まるIT関係の人は素晴らしい人が多い」ということがあります。これは何故だか分かりませんが、新しいことに対する探求精神が旺盛なのかもしれません。

仕事できたかと言うと……?

この日コワーキングでは参加者同士の談笑が楽しすぎて、事務作業という感じではありませんでした。土曜日だったこともあるでしょう。ノマド会でも平日の昼間はガチで仕事をしていますが、夜や週末に開催する時は談笑が中心になります。ノマド会との違いは談笑にメイドさんが入ってくることでしょう。

「コワーキング」という名前が適切なのかは分かりませんが、週末にIT関係者が集まるサロンとして良いと思います。

なお、こちら「メイドカフェでノマド会」としては、「仕事ができない」となってしまうと存在意義が瓦解してしまうため、平日昼開催のメイドカフェでノマド会は集中して仕事ができる空間としてのコンセプトを大切にしています。

今後に期待すること

 

 

プレスリリースでは

GIFTED AGENT株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:河崎純真)は、就労移行支援施設GIFTED ACADEMYの利用者を主体としたプロジェクト「MadeInMaidFamily(メイド・イン・メイド・ファミリー)」を開始いたします。」

とありましたが、会社の事業というよりは関係者一人ひとりが手作りで運営をしているように見えます。まだ始まったばかりなので、運営方法などは参加者の意見を聞いて、改善をしていく途上でもあるでしょう。僕もメイドさんの自己紹介があった方がいいのではないかなど提案をさせていただいたので取り入れられているかもしれません。

10月からは参加費が3000円となり、 10/07(土)、10/14(土)、10/21(土)、10/28(土)と毎週開催することも決まっているようです。参加申し込み画面へは公式サイトで「イベント情報」をクリックして進むことができます。

メイドさんは、現役のメイドさんや経験者というわけでもなさそうです。ここらへんは、現役のメイドカフェ勤務者としてプライドの高い「メイドさん」から見たら歯がゆさもしれませんが、毎週参加者に接して行くことによってメイドさんとしての能力も磨かれていくのでしょう。

世間では「メイド」というと怪しい、アンダーグラウンドなイメージがあって、メイドさんやメイドカフェファンは冷たい目を受けることもありますが、若者とIT文化の中心である「渋谷」の地で「メイドイベントをやってみるか!」と企画して実行できてしまったことは、時代が変わってきていると思います。

IT系の人たちは先見性があって偏見がないので、女性の方はメイド服を着ることが「恥ずかしい」ことではなく「可愛い」「憧れ」のメイド服を着ることを楽しんでいるように見えることはとても良いことだと思います。

ノマド会は勉強会イベントをやらないのか

メイドカフェでノマド会も、11月から12月頃を目処に勉強会イベントの準備をしています。

こちらは「メイドさん」ではなく「メイドカフェ」にリスペクトしているので、違った切り口にはなると思います。例えば、メイドさんは「現役」または「元ベテランメイド」であることにこだっていますし、既存のメイドカフェ店舗を応援するために必ずメイドカフェ店舗を絡めて企画する予定です。

メイドさんがいる空間は「楽しい」です。しかし、あえて「楽しい」ことを強調せず「仕事が集中できる空間」としているのがこちらのコンセプトです。メイドさんには極めて真面目な感じにお給仕してもらいます。

メイドカフェには「萌え萌えキュン」や「クラシカル系」「魔法」「戦国」など様々なコンセプトがあります。メイド x ITでも、「楽しい」系と「真面目」系のバリエーションがあって良いと思っています。

文化の発展にはバリエーションと多様性が必要です。メイドプログラミングスクールと、メイドカフェでノマド会、それぞれの道を突き進み、互いに切磋琢磨して良い文化が作れていけることを強く望んでいます。


「メイドプログラミングスクール」に期待すること

はじめに

最近、Web上のとある記事について、深く考えていました。
その記事は、一見するとメイドカフェと水商売と風俗を同列に書いているので、読解力が低い人には誤解される恐れがあると思います。

そのため、SNS上ではなるべく拡散しないようにしていました

誤解した人によって、(18歳未満のバイトも含む)メイドさんがセクハラの被害にあう恐れがあるからです。

リツイートしていた知り合いにはリツイートを止めてもらうようにお願いすらしました。

しかし、このブログの読者の方は、誤解しない人たちだと信じているので、敢えて書こうと思います。

問題の記事

問題の記事はこちらです。

メイドプログラミング教室がアリだと思う理由と女子の貧困|マルキド|note(ノート)

書き方が過激なので、女性の方、メイドカフェ関係者の方は怒りを感じられる方もいるかもしれません。僕も、怒りを覚えた一人です。しかし、なぜか、冷静になって読みたいと思いました。

そして、物凄い一生懸命考えました。そして分かりました。

ものすごい考えてわかったこと

この記事の筆者は「弱者」に訴えようとしています。

怒りを抑えて、視点を変えて読んでみましょう。

例えば自分がキャバ嬢だったとします。夜遅くまで働かなきゃいけない。
指名を取らなきゃいけないプレッシャーがある。
しかも、いつまでもこの仕事ができるか分からない。

しかし、もしかしたら家庭の事情、「貧困」、なんらかの理由でその世界に入ってしまったのかもしれません。

そこへ筆者が訴える核心は次だと思います。

もう女子は可愛さや愛嬌だけでは稼げない。
ぶっちゃけ穴で稼いでハマったら女子は終わりだ。

敢えて下品な言葉を使うことで、痛烈に訴えているのです。

自分が言われてると仮定すると「ガーン」と頭を打ち抜かれたような思いになります。

メイドプログラミングスクールとは

「メイドプログラミングスクール」は、僕は関係していないですが、最近ITMediaにも取り上げられ、とても盛り上がっています。

スクールの人たちの問題提起の一つ

「メイドさんから転職しようとしても、再就職先を探すのは難しいのが今の社会の現実です。」

というのがあります。

この部分、メイドカフェ関係者の方は違和感を覚えるかもしれません。

メイドさんは、普段は学生であったり、一般の企業で働いている方が多いです。
国家資格や、ITやデザイン等の特殊スキルを持たれている方もいます。

もちろんそうでない方もいますが、もはや、メイドだからどうこうではないと、自分は思っています。

引用した記事にしても、メイドを無理やり「弱者」になぞらえるのは、違うと思います。

しかし、メイドカフェといっても非常に多いので、人によっては本当に「貧困」で助けを求めている人もいるかもしれません。メイドとかキャバとかは関係ありません。人には強い人、弱い人それぞれいるのです。

不幸な道に足を踏み入れてしまった弱い人、あるいは、そうなる手前の人の、受け皿となることを、メイドプログラミングスクールに期待したいと思います。

メイドプログラミングスクールに期待すること

そこで、次に気をつけなければならないのは、同じ罠にはまらないことだと思います。

自分は関係者ではありませんが、メイドプログラミングスクールはキャバクラにはなってほしくないと願っています(キャバクラを悪く言っているのではなく、プログラミングは歓楽的な場で接待されながらするものではないという意味です)。参加される方、主催者側は、真剣にITに取り組んで欲しいと思っています。

本当に「弱者」「貧困」を抜け出したくて、メイドさんに応募する女性もいるかもしれません。そういうこともあるので、メイドさんを甘やかすばかりではなく、時には厳しく、正しくIT業界で働く道を教えてあげてあげて欲しいと思います。

実は運営されている方にお会いしたことがあるのですが、非常に真面目な方なので、きっと大丈夫だと思います。

僕はこの方面のことはよく知らないので、ノマド会が大きくなったとしてもやらないと思います。ずるいですが。

メイドカフェでノマド会はどちらかと言うと、「自立」した人の集まりです。

できれば、スクールを活用して「自立」を獲得した人たちが、いずれ、ノマド会に参加してくれること切に願っています。

貧困と愚かさについて

そう言えば、最近この本を読みました。僕たちは貧しい人は愚かだから貧しいのだと思いがちです。しかし、ホームレスに生活費を手渡すと、皆職業に就いてしまったという実験結果があります。人は愚かだから貧しくなるのではなく、貧しいと愚かになるようです。詳しくは本を読んで下さい。

知識労働者の時代とメイドカフェノマド

読書の話としてはもう一つ、最近、メイドカフェノマドとは何かと考えていたら、突然「ネクスト・ソサエティ」ではないかという言葉が頭をよぎったので、この本を読みました。

知識労働者の時代では資本とは、会社とか、お金とか設備ではなく、知識にあるそうです。つまり、会社に縛られずに働くことがスタンダードとなっていくのでしょう。そこに必要なのは「メイドカフェでノマド会」のようなコミュニティじゃないかと思いました。いずれ、詳しく掘り下げてみようと思います。