メイドさんがプログラミングの先生とは
日本Androidの会秋葉原支部では、現役のメイドさんが先生になってAndroidアプリ開発の入門セミナーを行うという活動をしています。2016年8月21日に日本Androidの会学生部とのコラボで学生限定セミナーが開催されました。
開催概要: メイドさんと一緒に楽しく学ぶAndroidアプリ開発入門セミナー
メイドさんが先生とはどういうことでしょうか?今回、僕は秋葉原支部のメンバーとして参加しましたので、その様子を皆さんにお伝えします。
メイドさん好きの学生が集まってきたよ!
今回は学生が対象ということで、メイドさんと同い年くらいの学生さん20名前後が今回参加されました。いつもは30代以上のおじさん達が多い秋葉原支部のメンバーとしては、若い人たちに会えることは新鮮です。
おっさんが若い女の子が好きなのはある意味必然的なことですが、若くしてメイドさんに興味を持つということはなかなか濃ゆい人たちなのかなと想像しましたが、元気でさわやかな若者たちでした!
メイドさんは立派な先生!
今回講師を務めるのはメイド喫茶橙幻郷所属の鈴峰桐さん、卯月ほのかさん、日向いくのさんの3人です。
まずは、鈴峰桐さんによる、サンプルアプリの概要説明
Android Studioでサンプルプロジェクトを開いてから、端末でデバッグする方法、レイアウトファイルとソースコードの説明、ボタンの文字を買えるには?ボタンをクリックした時のプログラムとの関連付け・・・ここまでを一気に説明します!
実はここがある意味一番大変な章で、多くの参加者の方が端末とPCの連携が上手く行かず、手が止まってしまいます。とりわけWindowsのPCの場合デバイスドライバをインストールする必要がありますが、それが端末によって異なるので、一人ひとりに対応方法が違います。百戦錬磨の秋葉原支部のメンバーはAndroid Studioのトラブルシューティングについては長けていますので、学生部の方々と協力して次々に解決していきます。
2番手、卯月ほのかさんによる、画像をたくさん表示する方法
桐さんからバトンタッチして登場したのは卯月ほのかさんです。
「イメージビュー(ImageView)」
「リニアレイアウト、ホリゾンタル(LinerLayout(Holizontal))」
のような技術用語がメイドさんの口からどんどん飛び出します。ほのかさんの可愛い声が魔法の呪文みたいに響きます。
ただ原稿を読み上げているのではなく、大きなスクリーンを棒で指しながら
「ImageViewにはそれぞれ名前が付いています!」
と、自分の言葉で説明しているのが分かります。
「分かりましたか??」
「はーい\(^o^)/」
ちゃんとシンクロしていますね。ここまで振り落とし一切なし!
「kiriって書くときりちゃんが出ます!」
3番手、日向いくのさんによる、画像を順番に表示する方法
この章からは
- 変数
- i=i+1
- 割り算と余り
だんだん専門的なテクニックが増えてきますになって来ています。
「秒を分に直すにはどうしたら良いでしょうか? はい、ではあなた!」
「60で割ればよいです!」
「正解!では、この%は何を意味するでしょうか?」
「割った余りです!」
一方的に授業をするのではなく、参加型教室みたいにしています。クイズはいくのさんのアドリブです!
ふたたび、鈴峰桐さんによる、動きを工夫する方法
満を持して再び登場した支部長!
この章では「配列」というテクニックが登場して一気に難易度が上がります。
この段階まで来ると、分かっている人はどんどん進んでしまい、慣れていない人との差が開いてしまいます。そんな中で
「最近男の人の女子化が進んでいる。スイーツを食べる。年齢を聞くと嫌がる。」
「スマホの美白加工アプリの効果について」
などの雑談を交えて場をなごませている桐さん。
登壇が終わった他のメイドさんもサポートスタッフに混じって参加者の方のサポートに回っています。と、思ったらその場でメイドさんを撮影して自作アプリに取り込んでる人もいます(このセミナー中のメイドさんの撮影は許可されています)
会場全体が仲の良い雰囲気になって、誰一人振り落とされることなく、セミナーは終了しました!
学生たちの反応は?
- 事前に想像していなメイドさんのイメージとは違って、おしとやかな感じだった
- Androidアプリ開発は昔やってみたけど難しかった。今回は優しく説明してもらえて分かりやすかった
- メイドさん最高!
などなど。やはり、メイドさんというと「萌え萌えきゅーん!」のイメージが強いのでしょう。橙幻郷のように落ち着いた雰囲気のメイド喫茶も多いですが、どうしても派手な方が目立ちます。今回のイベントを通じて、本場秋葉原のメイドさんを知ってもらえれば何よりです。
スタッフから見た感想
学生の方は優秀だと思いました。こういったイベントに自発的に参加するだけで意識も高いのだとは思いますが、目立ったトラブルもなく全員が課題を終えられたのは全員が一定のITスキルを持っていたのだと思います。
Androidの会秋葉原支部では、このような勉強会をこれまでにも何度も開催していますが、今回はとりわけサポートが楽だったというのがスタッフの間での感想でした。
感想を話すメイドさん
メイドさんが講師ってどうなの?
会場を貸して頂いた、株式会社ヴァル研究所の部長新井さんによると、メイドさんたちがやっていたのは「ファシリテーション」と言うらしいです。ファシリテーションとは、会議などの場で参加者の発言を促したり認識を一致させるための、リーダーには欠かせないスキルです。メイドさんは単に知識を何を教えているだけでなく、参加者の気持ちを誘導して一緒に勉強しようという方向を向かせていたのです。その結果として、全員が飽きることなく課題を完遂し、勉強会を成功させました。
人によっては「可愛い女の子を使って人を集めている」「女性を商品にしている」という批判もあるかもしれません。しかし、そんなことを言っては彼女たちに失礼です!! ここに至る過程は簡単なものではありませんでした。メイドさん3人は数年前は初心者で、プログラミングなど一切触れることなく育ってきました。そこへ、突然ifとかforとか難しい言葉を叩きこまれた日には逃げたくもなったでしょう。しかし、だからこそ初心者の気持ちが分かり、辛くても分かった時は嬉しいという、新鮮な気持ちを今でも持っているからこそ、初心者向けのセミナー講師として最適だったです。
これからは楽しみながら創る時代
IT業界ってネガティブなイメージありませんか?残業、うつ病、ブラック企業。。。最近は若者がITを志さないのだそうです。でも、プログラミングって本質的にはものすごく楽しいことです。僕は中学生の頃からやっているから分かります。メイドさんも「Androidの会は楽しい」と言っています。
これまでのIT産業は人海戦術でした。仕事として仕方なくITをやってきた人たちも多かったです。そんな人達がブラックな雰囲気を作ってしまったとも言えるかもしれません。けれど、これからはITも成熟して、より専門化が進行しています。そんな中、僕がこの業界にいて見てきた真実は、本当に優れている人は例外なく仕事を楽しんでいるということです!「あんなに楽しんでやられたら、仕事だと思ってやっているこっちには勝ち目がない!!」と思います。だから、これからは楽しむことが必須スキルだと、僭越ながら一現役プログラマーとして思うわけです。
学生諸君!生き生きと説明するメイドさんから、何を学ぶか!
単なる技術だけじゃなく、メイドさんたちが楽しんでいる光景を目に焼き付けて欲しい!
メイドさんって実はとってもクリエイティブです。お店のイベントを企画し、実行したり、グッズ作りのためにフォトショやイラレだって使いこなしています。歌や踊りを店内でライブ披露するメイドさんもいます。お客さんを楽しませるためにあらゆる才能を発揮します。好奇心旺盛なそんなメイドさんとプログラミングは相性が良かったのです!
これからのIT産業を引っ張っていくのは、萌えの力なのです!
日本Androidの会とは
日本Androidの会は国内最大のAndroidユーザーで、「Androidの普及を促進し、ビジネス系、技術系、デザイナー系の人たちに対してAndroidの注目度を上げることを目的として」(引用:公式サイト)2008年9月12日に結成された団体です。2009年9月25日にはNPO法人が結成されています。全国に支部があり、支部ごとに活動が行われていて、そのうち秋葉原支部では、現役のメイドさんが支部長を務めています。
その活動の様子は当ブログでも、何度か取り上げています。
日本Androidの会学生部は学生が運営する支部で、開発合宿やセミナーなどを定期的に開催しています。
ヴァル研究所とは
会場を貸していただいたのはJR高円寺駅から徒歩5分、株式会社ヴァル研究所さんです。
ヴァル研究所と言えば、「駅すぱあと」という人気経路検索ソフトのメーカーで創業40年の老舗IT企業です。僕のスマートフォンにも「駅すぱあと」が入っています!
実は僕は鉄道ファンでもあるので、ヴァルさんのオフィスは、壁に路線図が描いてあったり、鉄道にちなんだゲームが展示してあったりや、プラレールが走っていたりと興奮が止まない素敵なオフィスでした!いいな!こんなところで働きたいです(^^)